帰国するよ

 

どうも。あれだけ騒いでいましたが、結局、案の定、帰国要請により帰国することとなりました。一時帰国という形で留学を中断することもできましたが、再渡航の目途が立たない以上、家賃や保険料を払い続け、どれだけ授業を受けられるかも不明瞭な状態で生活を続けるのは得策ではないと判断し、この帰国をもって留学を中止することに決めました。

これは私の判断で、「なんだ一時帰国にしておけばよかったじゃん!」と後悔できるといいなと思っています。いやこれは結構マジで。

今回のことは私の人生の中でもかなりレアな経験だったと思うので、帰国するまでのことを少し書き残しておこうと思います。

 

帰国が決まる5~6日前

たしかドイツの感染症危険レベルが2に引き上げられて、私が2日おきに帰国する友人を見送っていたあたり。「なんでこんな時に…コロナ…マジコロナ…」「これからサマータイムで楽しい時期だったのに!」と無念そうな顔で帰っていく友人たちに、「私は何とかここにとどまって、みんなが再渡航してきたときにウエルカムの旗掲げて待ってるから!」と言いながらお別れをしていた私は、まさかそこからすぐに自分も同じ状況になるとは毛ほども思わず。少年漫画のクライマックスで主要キャラがバタバタと消えていく感じだから、そろそろ劇的に強いキャラクターが出てきて形勢逆転するポイントのはずなんだけどな~~救世主まだか?なんて思っていました。

 

帰国要請の連絡が来る前日

大学寮で同じく留学生の大学院生のお姉さんとアップルパイを作りお茶をしようとしていたところに、ドイツの感染症危険レベル引き上げのお知らせ。

ここで前回の記事の内容につながるわけですね。

先に帰国した留学生からたくさん引継ぎ品をもらって、食べ物もたくさんあったから、これでドイツの外出自粛の期間を乗り切ろうと思っていたところへの連絡でした。頭は真っ白になりつつ、でもちゃんと怒っていたし、かと思えば「帰国の準備をしなくちゃ」と冷静にすべきことを考え始めている自分もいて、そういう聞き分けがいいふりをする自分に対してもいら立ちを覚えたし、とにかく4人くらい人格がある感じ。すごく落ち着いた状態で混乱していました。

 

帰国要請の連絡が届く

予想通り、朝起きると帰国要請を伝えるメールが届いていました。あらかじめわかっていたことだし、大学職員の方のせいではないので、「かしこまりました」と返信をし、留学先大学の先生に連絡を入れたり、家族・友人に連絡したり。

無心で荷物整理したり、捨てたり、詰めたり、申し訳ばかりのお土産を買いにスーパーに行ったり。

 この頃は「留学を継続できるか否か」が肝だと思っていたので、まさにゲームオーバーという感じ。世間にはワニから日常の大切さを学んだ人もいるのかもしれないけれど、私もきっと同じくらい日常の尊さは感じてた。

 

帰国準備

帰国のことをドイツ人の友人たちに伝えると、本当にどの友人からも、

「何かあったらなんでも言ってね。」

と言われる。やめてくれよ、はちゃめちゃにちょろい人間だからこういう時に優しくされると軽率に好きになってしまうよ。と思いながら、周りの人の優しさに甘えまくり、留学を中止するにあたって必要な手続きを終える。手続きをしたのは私ではなく友人です。感謝しかない。

友人に「逆の立場だったら君はきっと同じことをするし、友人を助けるのは当たり前のこととでしょう?」と言われる。

こういう道徳の授業で習いそうなことって基本的にあまり好きではないけれど、こういう時はシンプルな言葉が一番うれしいんだなと実感。だからきっとプロポーズもひねらずにちゃんと「結婚しよう」って言ったほうがいいんだな。何の話してるの?

準備を進める中で、自分なりに気持ちの整理をつけ始める。ドイツ人の友人たちは今後日本への留学予定がある子も多いし、また会えるから。と帰国後の生活を充実させられるようにしようと気持ちを切り替えようとする。

 

帰国前日夜(今)

友人から引き継いだ大量のものを何とか処理し、パッキングをし、いつもと同じように寮の自室の中で一日を過ごす。

帰国後復学するつもりなので、シラバスを見たりしながら履修について思いをはせる。

気持ちの切り替えはできているつもりではあったが、やはり悔しいものは悔しい。本来であればこの先半年でできたはずの経験ができなくなってしまったということは純粋に残念だと思う。誰のせいでもないし、ただ留学が終わるというだけなので、身近な人をコロナウイルスでなくしたり、自分自身が感染してしまったり、そういう立場の人のことを考えれば、私はあまりにも子どもっぽいことを言っているなと思うけれども。

まぁ私の感情は私のものだし、人に迷惑をかけない範囲で文句を垂れる分には多めに見てくれるだろう。寛大な神様あたりが。お許しください。

 

とまぁザックリとこんな感じでした。漫画の連載が打ち切られるかのように、伏線回収もできないまま、納得のいく大団円とはいかず、「俺たちの戦いはこれからも続く!」的な感じで終わるのか…という気持ち。

いや、正直に言えば、全然締まってないので実感はないんだけど。まぁ日本に帰って2週間自宅で過ごしていたら実感の1つもわくでしょう。

 

 

 今までも「推しは推せるうちに推せ」とか、「本当にほしいものはその場で買え」とか、そういうスタンスを大切にして生きてきたつもりだったけど、まだまだ生半可だったなということに気付かされました。

半年しかヨーロッパにいられないってわかっていたらもっともっと旅行していたし、ドイツの謎のハイカロリーみたいな食べ物食べたりしてました。そんなこと誰にも予測できなかったから仕方ないんだけど。いや、割と人生ってこんな感じなんだろうな。死ぬときにそういうことを考える時間や神経回路が残っているかは知らんけど、でも絶対私「クッソ~やり残したことしかねぇ~~」って思いながら死ぬんだろうなと思った。(2020年3月現在)

10年後20年後は変わってますかね。私は変わっていない気がします。

 

 

恨み節満載でここまブログを書いてきましたが、留学先で色んな出会いに恵まれて、色んな縁ができたことは私にとってとても価値ある事であるのに変わりはないし、そういう人たちと再会の約束をして、きちんとお別れできたのはやはり喜ぶべきことだと思うから。

今望むべきはコロナウイルスの感染拡大を防ぐことだし、そのために今は我慢して、状況が変わったら、半年間お世話になったヨーロッパ経済の活性化の一助を担えるように、積める徳と金を用意しておこう。

 

終始何を言っているかよくわからない内容になりましたが、今の私のこの混沌とした精神状態が反映されていて、半年後にお酒のおともに読み返して地に埋まりたくなるような記事になったのではないでしょうか。

 

というわけで帰国します。おうちに帰り、2週間の隔離を終えるまでが留学なので、先は長いですが、強く生きたいと思います。